ヘルスノミクスをご存じですか?


アブセンティズム・プレゼンティズムと経済的影響

日経新聞に8月27日までの6回にわたり「ヘルスノミクス」という記事が掲載されていました。
経済に影響を与えうる健康関連トピック、という主旨の造語ですがなかなか上手いネーミングで、毎朝の新聞がさらに楽しみになる連載でした。

その第5回目は「会社の心配本気です 欠勤なくても大損失に」というタイトルで社員の体調不調による業務能率低下が、企業にどれほどの損失をもたらすか、がテーマでした。日本ではまだ耳慣れない言葉ですが、アブセンティズム(欠勤による経済損失)とプレゼンティズム(出勤しても能率が上がらないことによる経済損失)という概念が紹介されています。

このプレゼンティズム、医療経済の分野では注目されてきており特にメンタル不調との関連が深いため私も企業で講演する際はいくつか資料を示して紹介するのですが日経新聞電子版でキーワード検索してみたところ、同紙では初登場だったようでその点、今回の記事は特別に意義深いものと感じました。

アブセンティズムにおいてはある社員が欠勤していれば、その日数は戦力としてカウントできないことが自明ですがプレゼンティズムにおいては、労働者はさまざまな体調不良を抱えつつ曲がりなりにも出社はしているため仮に業務能率が低下していても、企業側からは損失として意識されにくいのです。

ちなみに日本では、メンタルヘルス分野だけに限ってもアブセンティズムとプレゼンティズムの合計損失が国全体で年間2.9兆円との研究報告があります。就業者数が6300万人あまりとすると、労働者1人あたりで年間約46000円もの損失です。

企業が良好な業績を維持し、ステークホルダーへの責任を果たすためにも適切なメンタルヘルス対策を講じて社員の心身の健康を維持することは、とても重要なのです。